もうひとつ、データと理論の組合せた例をご紹介します。
リーサスには、from-to分析といって、どこから人が来ているかを調べる機能があります。
これを使うと、糸島市には、隣の福岡市から来ているお客様がほとんどであることがわかります。
ここから分析できることは、糸島市が、民間でいう、福岡市の市場シェアをたくさん持っていることになります。
だから、既存のお客様を大事し、競合の状況も観察しながら飽きさせないように新しいサービスを提供し続けなければなりません。
こんなことを言うと「糸島が、いまさら福岡市に?」という話を聞いたりしますが、私からすると「自分がもし、会社の経営者なら、もっとも大事なお客様が福岡市の皆さんではないのか?なぜもっと大事にしないのか?」と問いたいです。とても行政的で、経営感覚に欠けると思います。
これは別の視点から見ると、すでに糸島が認知されている場所、福岡市で糸島の新しいサービス、商品を試す土壌があると言えます。
下のような表で、製品と市場をそれぞれ既存と新規に分けた「製品市場マトリックス」理論で説明でき、思考を助けてくれます。
製品市場マトリックス
経営の神様、ピータードラッカーは、このマトリックスを使って、矢印の順に攻めた方が成功する可能性が高いことを述べています。
普通に考えて、いくら地元で売れている商品と言っても、まったく縁もゆかりもない新しい地に攻めていくよりは、すでに、糸島の認知が高い福岡市の人たちに「糸島の新しい商品が出ましたー」というほうが、やりすいことは肌感覚でもわかりますね。
こういう戦略の定石を知っておくと、闇雲でなく、次は福岡市で有名にして、それから次の新しい場所に行こうといったような考えが生まれて来ます。
しかも、福岡市は全国からお客様がお見えになるので、福岡市内で糸島を目にする状態を作れば全国に宣伝する効果も得られると考えられます。
同じ考えで、岡山県に送っていた糸島鰆(さわら)を、まずは福岡で!という戦略が実行されだしたので大賛成です。
以下のような感じです。
水産の先輩にも気軽に言えるので、これ絶対続けてください、と言いましたが、仲良しなので、いろいろ情報共有しながらやってくれます。
今が旬! 「糸島さわらフェア」を初開催!! - 福岡県ホームページ
ということで、今回はここまでにしたいと思います。