博士&MBA地方公務員の日々挑戦

(学問上)経営学をマスターした行政マンが、どれだけ地域政策に役立てるか、その実践をゆるくつづります

グラフの比較。難しいことはいらない!

こんにちは。

データを分析する際に「比較する」ことが大事ですが、これは前に紹介した、他の自治体と比較したりするベンチマークの手法だけではありません。

 

単純に2つのグラフをならべる!

 

という、比較です。

 

さて、実例で。下のグラフは、上段が漁獲販売金額別経営体数、簡単に言うと、売上規模ごとの漁師さんたちの数です。

下段のグラフが漁獲量です。

上段のグラフで、販売額500万円を超える漁師さんたちが増えるという全国的にもあまり見られない傾向がありました。そして下段のグラフは貝類の養殖量が増えています。

同じ時期に、同じ増加傾向を示しています。

 

           (漁獲販売金額別経営体数)

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            (漁獲・養殖量-トン)

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見るからに関係がありそうです。

 

そして貝類養殖。糸島ではカキしかありません。

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これで、カキが売上が伸び、漁師さんたちが増えたんじゃなかろうかと想像できます。

論文や大学の先生なら、漁師さんの数と養殖量の2軸関係を1つのグラフにし、相関係数を出したりするのでしょうが、私たちが実務で使う場合は逆にわかりにくくなります。

職員、市民の皆さんに説明するなら、こっちの方が断然わかりやすい!

 

数字の相関を見るときは、

むしろ逆に

 

グラフを2つに分けて、並べる!

 

のが、テクニックです。

 

補足ですが、この2つのグラフも、漁師さんたちの売上、一方で漁獲量のうち養殖貝類を軸に分解しています。零細層がどうなっているか見たい、農業では見られなかった傾向が漁師さんたちにだけあったのでカキの状況を知りたい、と「目的に合わせてデータを分解する」のがデータを扱うときの基本だと考えます。

 

そしてリーサスを使ってトドメを刺します。

リーサスでは、販売先別の売上を見ることができ、自家販売(カキ小屋)の経年変化を見ると、5年間で1億円から4億円弱まで売上が増えています。

これで、カキのようなブランドを1つ作ることで、漁師さんたちの雇用が生まれ、生産量が増えていたことに加え、産業全体を押し上げる経済効果があるとわかります。

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うーん、リーサス素晴らしいですね。

ボタン1つで、このデータが出せるとは。

自分でやるなら、販売先別のデータを1つの1つ集めて、さらに複数年の作業が必要になってしまいますので、このグラフだけでかなりの手間です。

 

実は最後のリーサスのグラフから、もっと別の特徴が見出だせます。

これだけで、かなり課題が絞り込め、漁師さんたちの所得アップができそうなデータが読み取れます。

 

皆さん、何かわかりますでしょうか?

 

次回のお楽しみにしたいと思います。

 

 

明日はまた代官山蔦屋書店でイベント。

しかも夜のイベントのため、東京に1泊して土曜帰り、戻って次の日の日曜から4日間は、神奈川の大学生を糸島で研修受け入れし、毎晩遅くまで帰れない。。。

受け入れしながらも、途中で抜け、月曜と火曜は重い会議が、、、特に火曜の会議は想像するだけで気が沈む。

しかし、経験から、こういうときこそ、粘り強く調整すれば、必ず活路は拓けます!

そして民間の人ができない多くの利害関係者の調整こそ、行政職員の大事な役割であり、強みです。

 

もうすぐ息子の誕生日。

その日だけは絶対帰るぞ!!と心の中で叫びまくっています。