私は市役所で働きながら、出身は隣町の出身です。地方の市役所では、職員は地元に住んで欲しいという声を聞きます。
私の場合、妻がこちらの出身で、しかも職場に近いことや、親の理解もあり、勤務自治体に定住しています。
いまは故郷と同じくらいの年数を過ごし、これからは、いまの市の方がお世話になる時間も長く、子どもたちの故郷になりました。
また、仕事で悩んだ時期もあり、私を拾ってくれた今の市にとても感謝しています。
また故郷は家族、同級生だけですが、今は地域のたくさん人たちと廻り合い、受け入れていただくことができて、とても愛着がわき、故郷同様に大切な地域です。
そんなことを考え、地域の仕事をしながらも個人としても地域貢献したいと思うようになり、「仕事プラスワン」を掲げています。
私の住んでいる地域には、伝統芸能(市無形民俗文化財)の神楽(かぐら)が残っています。その年の家内安全、無病息災、五穀豊穣、大漁などを祈願し、神様に奉納する演舞です。
後継者不足に悩まれていたこともあり、入庁当時の上司が神楽師であったことからも、「これに入りたい」と思い、志願しました。
が!、、、
神社の氏子の継承が原則ということもあり、さすがに簡単に入れるものでは、なかったのです。
しかし、10年近く経ち、市内の人なら入れることになり、再度志願。余所者第一号として神楽師になることができました。
その後の志願者はいませんが、、、
仕事以外でも、伝統文化を残すことに貢献できたり、出張公演で呼ばれるたびに、地域の人に喜んでいただけ、入ってよかったと心から思っています。また、余所者の私が地域性の人と繋がれるきっかけにもなっています。
地方公務員をしながら、仕事プラスで地域貢献をしている人に、たくさんお会いしましたので、これから受験される方は、望まずとも足を踏み入れることになるかもしれませんね(笑)
神楽の紹介を少し。
私が所属している福井神楽は、江戸時代から伝わると言われていますが、書物としては明治に復活し、またその後途絶え、復活を繰り返してきたことが残っています。
近いところの公演で、2016年大晦日の夜をまたぎ、0時15分から、福井白山神社(ふくいはくさんじんじゃ)で年越し夜神楽が開催されます。
全部で23演目ありますが、新年2017年の5演目に沿って紹介します。
①先駈(みさき)
八百万(やおよろず)の神々の祖先である先駈の神が神殿に乗り込み、神主と問答し合う場面が見どころです。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)の弟でヤンチャ者。このせいで天照大御神は怒って天の岩戸にお籠りになってしまいます。この神様に撫でてもらうと1年間無病息災でいられる言い伝えがあり、子どもから高齢者まで大人気です。ぜひ、扇子で撫でてもらいましょう。
③火鬼(かっき)、④水鬼(すいき)
火鬼、水鬼は素戔嗚尊に仕える4人の鬼神のうちの2人です。それぞれ自分の守る方角を受け持ち、皆さんに悪い気が入ってこないよう守ってくれます。楽しげな音楽と足運びに注目です。火鬼の稲穂を持って帰り、水鬼に水をかけてもらいましょう。
⑤手力王尊(タチカラオウノミコト)
手力王尊は、お籠りになった天照御大神に出て来てもらうために、岩戸を開く力持ちの神様です。演目でも激しい動きで舞い、最後に岩戸をこじ開ける場面が見どころです。
ちなみに、私は先駈の神主と、手力王をやります。
いま37才なので、まだ何十年かできるか、、、あっ、子どもたちにもお父さんの勇姿が見せれるのもいいところですね!