博士&MBA地方公務員の日々挑戦

(学問上)経営学をマスターした行政マンが、どれだけ地域政策に役立てるか、その実践をゆるくつづります

子どもづくし

連日子どもたちとの行事で、子どもづくしの嬉しい日々が続いています。

 

娘からのバレンタインチョコ💝
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独身時代には思いもせず、娘から手作りチョコレートを貰える日が来るとは。

女の子に恵まれた特権とでもいいましょうか。これより美味しいチョコはないし、食べるのがもったいなかったです。

 

そして、2/13は息子の7才の誕生日。
1年生ですが、2月生まれで、男の子なので、上の女の子👧とすると、いつまでも子ども子どもして、かわいいです。
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もうあとどれくらい父親とひっついて、仲良くしてくれるか。

あと数年と思うと、今のうちにたくさん触れあう機会を作る努力をしたいと思います。

 

糸島の商店街。観光地として考える、、、

糸島市筑前前原駅筑前深江駅の近くに商店街があります。

豊臣秀吉朝鮮出兵のときに、佐賀県名護屋城に入るときも通った唐津街道の宿場町として使われました。

商店街にはどこでも、昔からの歴史を持っていると思いますが、どこも衰退が激しく、地域も自治体も困っています。

 

いろんな方の意見を耳にしてきました。

 

商店街の再建は、とても意見が分かれていて、「もう手の打ちようがない」、「ここに投資するより廃止して郊外の大型店に雇用を生み出した方がいい」、「市民の買い支えが必要」などなどです。

 

私はどの意見にも、賛同できませんでした。

 

糸島の商店街も厳しい状況は変わらず、他の地域と同じような問題を抱えていますが、中には頑張りたい人がいて、さらに糸島の場合は中心部の賑わいがないという課題もあります。

そんな中、商店街は文化的な施設の1つとして位置付けられ、エリアとして考えることができ、商店などが集積しているという特徴もあり、市も互いにメリットのある仕組みが作れると思っています。

 

そこで、私はずいぶん前から「観光」ツールとして商店街を使うことが最も有効ではないかと考えています。例えば、最近ありがたいことに比較していただける鎌倉。 駅の近くの鶴岡八幡宮の小川商店街は、観光客で賑わっています。鎌倉行ったときの写真です。大にぎわいでした。

福岡の大宰府天満宮しかりです。
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高山(岐阜)、倉敷(岡山)、豆田(大分)のような商店街に昔の町並みを再現したり、道後温泉のように日本最古の温泉によって商店街が成りたっていたり、、、

 

これらをみると、糸島市とは何が違うか。

 

現場に行けば行くほど、わかることがありますが、商店街単発ではやはり厳しい。

 

成功しているところは、

 

「商店街」×「●」

 

何かが組み合わさっていることがわかります。

 

デービット・アトキンソンさんの論文では、「食」「文化」「自然」「気候」の四要素の多様性が多いほど観光の集客力が高いことをデータで示しています。

 

商店街は1つの町の文化です。

ちょうど今、鹿児島に来ていますが、かごっま村は「商店街×屋台」と、屋台には、昔の文化、焼酎文化、食と掛け合わせがあります。

 

私はいま糸島にも、商店街とあるものを組み合わせることで活性化を考えています。

リーサスで休日の人の滞在数の動きを見てみると、糸島市は15時をすぎると、急激に人がいなくなります。
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そして、県内最下位、全国1700以上もある自治体で1300位です。観光客は増えていても短時間の日帰りで、他市町村と比較して消費額が小さい傾向にあります。
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まだ言えませんが、隣の席の先輩とも話し合いながら、違ったアプローチで内から外からみたいな感じで仕掛け始めています。

 

夜の新しい糸島が見られるかもしれませんね。

さぁ、どうなるでしょう!?

 

最後に、

もう4月の採用職員が決まってます。

将来糸島市に新しい風を吹かせ、そして、どこが破綻しようと、自分達の町は生き延びていける、住んでいる人たちが幸せに住み続けられる、持続可能なまちづくり、経営を行っていかなければいけるような優秀な職員が生まれてくれることを願います。

 

なかなか時間がないのですが、ストック、フローの両面を自治体財務4表からの分析をやりたいと思っています。 

ゼミの先生がそちらの専門だったので、ここは先生とかなり議論できそうです!

 

日本一の幸せなまちになるまでに、どこまで自分お手伝い出来るか。計画的に行かないといけません。

いまこのブログを鹿児島市内で書き、ちょうど

珍しい雪化粧の桜島が見れました。
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やっとクリスタルのトロフィーがやってきた!

「地方創生政策コンテストの企業協賛賞の新潟産コシヒカリが、今週届きますよ」とコンテスト事務局から連絡ありました。

 

が、

 

箱をあけると、


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トロフィー🏆と賞状でした。

 

賞状は各賞たくさんありましたが、

トロフィーは最優秀1人だけにしかなかったので、とっても貴重でした。

 

しかも、高校生の部はチームだったから、個人で持ってるのは、日本で一人だけだったと思うと、本当に大事にしようと思います。


それにしてもクリスタルって、光を当てると七色に光るんですね。

 

クリスタルの盾なんて、初めてもらいましたし、大臣から直接もらえるなんて、一生に一回あるかどうか。。。

 

うれしい。

グラフの特徴に注目。経年変化で変わると何かある!?

またまた読者の皆さんのブログを見ましたが、デザインがきれい。見出し機能もうまく使ってあるし。センスの問題?

 

自分は前にも書きましたが目の障害(色弱)もあり、色がわからず、センスも悪いので(これは目と関係ない)、自分で服を選ぶのがホント嫌です。だから妻に選んでほしいですが、なかなか子どもに手が入り難しいみたいなので、自分で買っては失敗の繰り返し。誰か、服を買うときは付いてきてほしい。。。

 

と、まったく関係ないことを!

 

ということで、以前の以下ブログで使ったグラフで、何か特徴に気づきますか?というところで終わっていました。

http://okagon.hatenablog.com/entry/2017/02/02/224030

 

このグラフは、販売先という軸で売上を分解し、かつ経年変化を見ています。

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誰しも、最初に気づくのが、「一番上の色が変わっているのはなぜ?」ということです。

 

これは、2008年に福岡市にある長浜市場に全量出荷していた鰆(さわら)を、2013年はJF糸島が新たな販路開拓先として、岡山県に直送するようになりました。それで、漁協の荷捌き所という、赤グラフが(赤で合ってます?右棒の一番上)増えています。

 

しかし、おかしいですよね?

 

漁師さんたちが儲かるために、新しく販路を開拓したのに、福岡市場と糸島荷捌き所を合わせた総額があまり変わっていません。

※増えているのは、最下段のカキ小屋だけ。

 

これでは、遠くまで冷凍車で運ぶため、コストはたくさんかかるはずです。

特選本鰆と言って、大きさや絞め方などで選らばれた魚が少し高値で売られていただけで漁師さんたちの所得アップに反映されていないのではないでしょうか。

 

ここで生産から消費者に販売されるまで、どこでコストが発生し、付加価値がつくのか調べるバリューチェーン分析というものがあります。

 

少し脱線しますが、マイケル・ポーター教授が考えられたもので、事業戦略論でこの人の名前が出ないことはないし、ダイヤモンドモデル、ファイブフォーシズなどカッコいいネーミングのツールを沢山生み出し、ビジネススクールに行って一番大好きになった人です。

 

下に水産事業者の事例がありますので、ご参照ください。

 http://www.darecon.com/value/hi_seizo.html#aff

これを使って、各段階のコストを調べ、どこで課題が発生しているのかを突き止めるのです。

 

ここで現場に飛び出して、漁協や漁師さんたちに聞けば、原因がわかります。

おそらく今回は、流通の問題だと思いますので、知り合いの漁師さんに聞くと、案の定、「輸送費を結構取られて、あんまり儲からん」とのこと。

 

ここから、何が出来るか。

 

「漁師さんたちの所得を上げる」

 

という大きな課題から、

 

「輸送(流通)問題を解決する」

 

という課題にかなり絞り込めたと思います。

 

ハブ&スポークと呼ばれる流通を効率化する方法や共同出荷する、地元の運送業者に相談するなど、解決策を考えるきっかけが掴め、これで漁師さんたちの所得を少しでも上げることができます。

 

本当にリーサス1つの使いよう、データの見方1つで、地域を幸せにできる兆しが生まれます。

 

もっと、もっと、どこの部署でも、課題の絞り込みができ、効率的な政策提案がどんどん生まれる状況になることを願います。

糸島×代官山蔦屋イベント第2弾終了!

2月3日(金)節分の夜、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。

私は代官山蔦屋にて、19時30分から22時まで糸島イベントを開催していました。
夜の代官山。
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イベント概要は、以下のホームページで。

http://real.tsite.jp/daikanyama/event/2017/01/post-252.html
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糸島×代官山蔦屋書店の第2弾イベントとして、先週から二週連続の開催でした。
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「こんな素敵なイベント、もう予定ないんですか?」と話かけてくださる方も。ご協力くださった、conveyシェフの横田さん、松木さん、蔦屋書店の中村店長はじめ、後藤さん、蓮沼さんのおかげです。
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糸島に毎年何回も来て下さる方、糸島食材を取り寄せてある方にもお会いでき、ウェルカムドリンクのシナモンティーは「東京でも買えますか?」と帰りにお尋ねになる方も。
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糸島に興味をもっていただける方とたくさん出会い、嬉しいですねー。
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いまからホテルで寝て、明日リーサスのイベントに顔を出して帰り、翌日曜は、逆に神奈川からの大学生を糸島で受け入れます。

 

踏ん張らねば。。。だけど持病で腰痛い!

整骨院行きたいけど、なかなか行けないなぁ~

まさかの新聞一面トップに、、、

地元新聞紙面に掲載してもらいました。

まさか、一面のトップ記事にしてもらえるとは、ありがたいです。

 

ネット版にも。

http://itoshima-np.co.jp/news/6179.html

 

子どもも学校で「お父さん載ってたね」とか言われるので、格好だけで終わらないよう、もっと、もっと糸島のために頑張ります。

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グラフの比較。難しいことはいらない!

こんにちは。

データを分析する際に「比較する」ことが大事ですが、これは前に紹介した、他の自治体と比較したりするベンチマークの手法だけではありません。

 

単純に2つのグラフをならべる!

 

という、比較です。

 

さて、実例で。下のグラフは、上段が漁獲販売金額別経営体数、簡単に言うと、売上規模ごとの漁師さんたちの数です。

下段のグラフが漁獲量です。

上段のグラフで、販売額500万円を超える漁師さんたちが増えるという全国的にもあまり見られない傾向がありました。そして下段のグラフは貝類の養殖量が増えています。

同じ時期に、同じ増加傾向を示しています。

 

           (漁獲販売金額別経営体数)

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            (漁獲・養殖量-トン)

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見るからに関係がありそうです。

 

そして貝類養殖。糸島ではカキしかありません。

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これで、カキが売上が伸び、漁師さんたちが増えたんじゃなかろうかと想像できます。

論文や大学の先生なら、漁師さんの数と養殖量の2軸関係を1つのグラフにし、相関係数を出したりするのでしょうが、私たちが実務で使う場合は逆にわかりにくくなります。

職員、市民の皆さんに説明するなら、こっちの方が断然わかりやすい!

 

数字の相関を見るときは、

むしろ逆に

 

グラフを2つに分けて、並べる!

 

のが、テクニックです。

 

補足ですが、この2つのグラフも、漁師さんたちの売上、一方で漁獲量のうち養殖貝類を軸に分解しています。零細層がどうなっているか見たい、農業では見られなかった傾向が漁師さんたちにだけあったのでカキの状況を知りたい、と「目的に合わせてデータを分解する」のがデータを扱うときの基本だと考えます。

 

そしてリーサスを使ってトドメを刺します。

リーサスでは、販売先別の売上を見ることができ、自家販売(カキ小屋)の経年変化を見ると、5年間で1億円から4億円弱まで売上が増えています。

これで、カキのようなブランドを1つ作ることで、漁師さんたちの雇用が生まれ、生産量が増えていたことに加え、産業全体を押し上げる経済効果があるとわかります。

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うーん、リーサス素晴らしいですね。

ボタン1つで、このデータが出せるとは。

自分でやるなら、販売先別のデータを1つの1つ集めて、さらに複数年の作業が必要になってしまいますので、このグラフだけでかなりの手間です。

 

実は最後のリーサスのグラフから、もっと別の特徴が見出だせます。

これだけで、かなり課題が絞り込め、漁師さんたちの所得アップができそうなデータが読み取れます。

 

皆さん、何かわかりますでしょうか?

 

次回のお楽しみにしたいと思います。

 

 

明日はまた代官山蔦屋書店でイベント。

しかも夜のイベントのため、東京に1泊して土曜帰り、戻って次の日の日曜から4日間は、神奈川の大学生を糸島で研修受け入れし、毎晩遅くまで帰れない。。。

受け入れしながらも、途中で抜け、月曜と火曜は重い会議が、、、特に火曜の会議は想像するだけで気が沈む。

しかし、経験から、こういうときこそ、粘り強く調整すれば、必ず活路は拓けます!

そして民間の人ができない多くの利害関係者の調整こそ、行政職員の大事な役割であり、強みです。

 

もうすぐ息子の誕生日。

その日だけは絶対帰るぞ!!と心の中で叫びまくっています。

 

代官山蔦屋書店 第1弾イベント終了!

1月31日、代官山蔦屋書店イベントは好評に終わりました。
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終わってから、3人も糸島に移住を計画している、という人が来られましたし、何人も糸島に行きたいー!って話しかけてきてくれました。

 

やっぱり、ネットや雑誌ではわからない、生の情報。しかも、今回の題材だった糸島本の編集者のおふたりのお話とあって、皆さん興味津々でした。
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糸島唯一のアンテナショップ「ここのき」の野口さん、千々岩さん、ありがとうございました。

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今週金曜は、別の題材(糸島食材の試食会)を同じ代官山で、夜開催します。仕事帰りでも参加できます。

まだまだ、申し込めるので、ぜひご参加ください!

http://real.tsite.jp/daikanyama/event/2017/01/post-252.html

データと理論の組合せの事例、続編

もうひとつ、データと理論の組合せた例をご紹介します。

リーサスには、from-to分析といって、どこから人が来ているかを調べる機能があります。
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これを使うと、糸島市には、隣の福岡市から来ているお客様がほとんどであることがわかります。

ここから分析できることは、糸島市が、民間でいう、福岡市の市場シェアをたくさん持っていることになります。

だから、既存のお客様を大事し、競合の状況も観察しながら飽きさせないように新しいサービスを提供し続けなければなりません。

 

こんなことを言うと「糸島が、いまさら福岡市に?」という話を聞いたりしますが、私からすると「自分がもし、会社の経営者なら、もっとも大事なお客様が福岡市の皆さんではないのか?なぜもっと大事にしないのか?」と問いたいです。とても行政的で、経営感覚に欠けると思います。

 

これは別の視点から見ると、すでに糸島が認知されている場所、福岡市で糸島の新しいサービス、商品を試す土壌があると言えます。

 

下のような表で、製品と市場をそれぞれ既存と新規に分けた「製品市場マトリックス」理論で説明でき、思考を助けてくれます。

 

製品市場マトリックス

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経営の神様、ピータードラッカーは、このマトリックスを使って、矢印の順に攻めた方が成功する可能性が高いことを述べています。

 

普通に考えて、いくら地元で売れている商品と言っても、まったく縁もゆかりもない新しい地に攻めていくよりは、すでに、糸島の認知が高い福岡市の人たちに「糸島の新しい商品が出ましたー」というほうが、やりすいことは肌感覚でもわかりますね。

 

こういう戦略の定石を知っておくと、闇雲でなく、次は福岡市で有名にして、それから次の新しい場所に行こうといったような考えが生まれて来ます。

 

しかも、福岡市は全国からお客様がお見えになるので、福岡市内で糸島を目にする状態を作れば全国に宣伝する効果も得られると考えられます。

 

同じ考えで、岡山県に送っていた糸島鰆(さわら)を、まずは福岡で!という戦略が実行されだしたので大賛成です。f:id:okagon:20170201002939j:plain

以下のような感じです。

水産の先輩にも気軽に言えるので、これ絶対続けてください、と言いましたが、仲良しなので、いろいろ情報共有しながらやってくれます。

今が旬! 「糸島さわらフェア」を初開催!! - 福岡県ホームページ

キレイライフプラス|福岡:糸島さわらフェア(福岡県糸島市)

 

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ということで、今回はここまでにしたいと思います。

 

分析と理論の組み合わせ。道具は使うことが大事!

また分析の事例を紹介したいと思います。また、分析の方法とMBAで取得する数多の理論をどう実務に活かしているかという視点も入れていきます。

これも一気に行くとつらくなるので、じわじわと。

 

まず、下のグラフは糸島市の観光入込客数の推移です(福岡県観光入込客推計調査)。

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ここにもデータを扱う際に必要な要素があります。ひとつは、少し前にご紹介した「分解する」という方法。これは観光客を「日帰り」と「宿泊」で分解しています。観光客はどちらかに分けられるので、漏れなく、ダブりなくカウントできる分解軸です。

 

すると、糸島市は99%が日帰りということがわかります。観光産業は入込客数より、消費額が大切です。宿泊と日帰りの平均単価は国が公表しているものがいくつかあるので、それをかけると消費額、つまり地域にどれだけお金が落ちているかわかります。

公表の単価(13000円前後)より少ない(ほとんど福岡市からで産直などが多いため)、日帰り8000円/人としても、570万人×8000円=456億円と、少なくても数百億の産業になっています。

 

それから、分析の大事な考え方として「時系列で見る」ということが大切です。

これは調べたい分野の全体像を見る、傾向を見る上で、最初にすべきといって過言ではないデータの扱い方になります。

この場合も、最新年の全体の金額がわかるだけでなく、経年変化を見ることで、成長か、衰退か、現状維持か、打ち手が変わってきます。

糸島市の場合は成長産業なので、「鉄は熱いうちに打て」状態です。この観光シェアの恩恵にあずかる地域の事業所は、数百億のうち自店が持っているシェアの分だけ、全年度の伸び率分、自然に売り上げがアップしていることになります。しかし、それで、あぐらをかかないよう、もっと伸ばすため、お客様を飽きさせないため、打ち止めになったときの新しい市場を開拓するための投資を行う必要がある、つまり、そのような戦略を考えている状態です。時系列で見るだけでも、かなりの分析ができます。

 

次に、もう一度分解する軸を変えてみます。

今度は観光客の「目的別」の入込客割合を見てみます。

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すると、産地直販施設(産直)が半分近くも占めていることがわかります。

伊都菜彩というJA直営の日本一売り上げが多い施設があることに加え、19もの産直が市内に点在しています。

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さらに、分解という軸+理論を使います。分ける軸に理論を持ち込みます。

観光の魅力については、デービット・アトキンソンさんの「新・観光立国論」で、観光の魅力要素は「食、文化、自然、気候」の4つに分けられます。この要素の多様性が多いほど、宿泊客が多く、インバウンド(海外客)が多くなり、観光地としての価値が高くなることが示されています。

 

糸島市の例を、この理論に当てはめて分類すると、下表のようになります。

食は、約60%を占め、文化は約15%。自然は約5%となり、気候は釣り、キャンプ、カキなど他の食、自然、文化などの要素と組み合わさっています。

糸島市の観光は、多くの部分を「食」という資源で補っていることがわかり、理論どおり、多様性が低いと日帰りが多いという状況です。 

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しかし、一方で「食」に強みがあるといえます。

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その産直もまだまだ伸び、福岡ではブランド化している糸島カキは、前年比44%の伸びです。

 

このように、ただ闇雲にデータを扱うのではなく、理論と組み合わせて分析すると次の戦略もわかりやすく、理論は数あるデータで証明されているため、成功確率をあげることができます。そもそも、この理論を知って、使って打っている戦略がどうかで、他人への説得力も違うし、自分が事業を実行するときの自信につながります。

 

データをこの理論と組み合わせたことで、「食の強みを伸ばしていこう」、「食と組み合わせる多様性を増やすため、工房やゴルフを伸ばす戦略を打とう」ということを次に考え出すことができます。

 

工房の体験観光はカキ小屋の3分の1程度の観光客ですが、伸び率はカキ小屋と同程度です。私は130件以上も立地する工房分野に投資していくことが将来の糸島市の稼ぐ力を高めることにつながると考えています。

 

理論やツールばかり、役に立たないということではないと思います。いかに自分が実践で使えるようになるかが大事です。

事業構想大学院大学の大社先生に言われた言葉は、「人間は熊やライオンなどの動物に勝てないが、道具を持つと勝てる。人間は道具を持つと強くなれる」ということがまさに仕事でもあてはまると感じます。

 

ふぅ~、まじめな投稿は結構体力使いますね。

やっぱり、遊びに投稿も入れたゆるいブログにして、ぼちぼちいくのが長続きするかな~。

 

それといつも残念なのが、自分の係に後輩が来れば、実践で自分のスキルを見て、学んでもらって、別の部署でもどんどん活躍してほしい!と思っているのですが、15年間のうち新規採用職員が半年いただけで、いつも後輩がいない部署。。。(泣)